11月号聞いてみた!「人間らしく生きる力の形成」~子どもは自然の中で育つ~
2023年11月28日
☆最後のコーナー「あるあるエピソード」もお楽しみに☆
聞いてみた!
「人間らしく生きる力の形成」~子どもは自然の中で育つ~
今月は、静岡市葵区で自然にたくさん触れる保育を長年続けている「あおぞらキンダーガーデン」園長 岡村由紀子先生にインタビューをしました。
【自然に親しむ現在のような保育をするきっかけは?】
私立幼稚園で6年勤務した頃、地元の羽鳥で「幼児を預かる園が足りない!」「幼児のための園を作りたい。」と地域から要望が上がり、その地域に住んでいたこともあって同級生の友人と2人で園づくりに関わりました。地域でお金を集めて無認可でスタートしましたが、保育・教育についてもっと勉強しなくてはと思い、週に1回仕事が終わるとその友人と新幹線に飛び乗り、東京まで研修に通いました。「豊かな遊び」、「豊かな人間関係」、「多様な経験」によって子どもが健やかに育つという保育の基本をその時の研修で学び、自然との触れ合いに着目したことが現在の保育の出発点だったと思います。
【子どもが輝いていると感じる瞬間を教えてください】
砂・水・泥などにたくさん触れ、日光や風などの自然を感じて思い切り遊んでいる、楽しく夢中で遊んでいる子どもたちの笑顔はとても輝いています。環境(人的/物的)を大切にする教育スタイルが必要な幼児期ですが、現代では、豊かな環境は自ら作らなければならない難しさがあります。特に自然に触れる環境は難しく、園では井戸水を利用した砂・水・泥遊びができる場を園庭に作るとともに、稲や野菜などを園庭で育て、季節を感じられるような実のなる木を植えています。
園庭で育ったお米や野菜、木の実を園児が分け合って食べる姿は本当に微笑ましく見えます。
【保護者からの反応はいかがですか?】
人間として生きる力を育てる(豊かな人間関係の形成・子どもの遊びを大事にする保育)を求めて入園を希望する保護者・職員がいます。そこで、遊びの一つ「自然の中で遊ぶ経験」を、乳幼児期に大事な活動として園で取り組んでいます。子育ては、みんなで助け合う営みです。園は、親と子どもを真ん中にしてパートナーとなる時「子どもの最善の利益になる」と考え運営しています。結果、職員や保護者からの色々な角度から見ることで子どもたちへの気づきがあり、さらに子どもにとって良い子育て、良い保育ができるよう協力しています。
【今後、力を入れていきたいことは何ですか?】
ものすごいスピードで変わっていく気候や環境の中でも、四季折々の自然と関わることができる保育をしていきたいです。また、「生涯にわたる人格形成の基礎」を作っていくのが私たちの仕事です。人間として生きる土台を作る、という考え方を持ち、思いやりを持った子どもたちに育てる、という自覚をもって日々保育に力を入れていきたいと思います。
【問い合わせ】しずおか保育士・保育所支援センター TEL:054-271-2110
++あるあるエピソード++
園で感染症が流行っても自分はかからない